絆の幹育成委員会 1年を振り返って
江口剛史(えぐちつよし)プロフィール
高校卒業後小千谷市内企業へ就職。
20年勤めた後、脱サラして起業。
現在は自身がマスターを務めるBar Starhorseなど3つの事業を展開中。
■小千谷青年会議所に入会したきっかけ
早速ですが、小千谷青年会議所(以下JCI小千谷)に入会したきっかけを教えていただけますか?
自分は元々サラリーマンをしていたんですが、後悔したくない人生を歩みたかったんです。そして自分で事業を始めたんですが、まだ何かが足りないと感じていました。そこへ先輩から誘われ、一歩踏み出すことを決意したんです。何よりも当時の自分を変えたかったんですよね。
入会してみてJCI小千谷での活動はいかがでしたか?
事業をする上で議案書を作らなくてはいけないのですが、それがとにかく大変でした。議案書というのは事業を実施するにあたり、事業に至る背景、事業をする目的、具体的な事業内容、予算などをまとめた資料のことです。議案書は理事会で理事会のメンバーで協議や審議をするんですよ。そこで様々な意見をもらったり、間違いを指摘されたりするのですが、その数が多いと心が折れそうになるんですよね。
なんであっても一生懸命作ったものは、指摘されるのは精神的に辛いものですよね。
そうなんです。ですが、理事の皆さんの意見があったからこそ良い事業にできたんだと思っています。みんなが妥協していたら、おろそかな事業になってしまうんです。間違っている点をハッキリと言ってもらえたのは本当にありがたかったし、自分の成長に繋がったと思っています。
すべての事業が終わった今では、心のどこから沸いてくるのか分かりませんが、良い脱力感に包まれているし、自然と涙も出ました。昔、先輩達が泣いている姿を見ても理解できなかったのですが、実際に自分も経験したらよく分かりましたね。
大人になってから人前で泣くことって少ないですよね。
会社ではなかなか泣けませんよね。ですが、1つのことに全力で向き合って、最後は感動して涙が出る。大げさかもしれませんが、これはJCI小千谷の活動でしか味わえないと思っています。
事業を成し遂げるために夜中でも当たり前のように連絡が来る。委員会のことは毎日夢に出るくらいなんですが、それくらいの使命感を持って活動していたんだと思います。それがあったからこそ、成長に繋がったし、仲間の絆が生まれました。委員会のメンバーはもはや家族だと思っています。家族と一緒に毎日を過ごした。そんな1年でした。
■『会員拡大』ではなく『仲間探し』を目指して
そんな江口さんが委員長を務めた『絆の幹育成委員会』について教えてください。
私たちの委員会は一言で言えば、会員拡大。つまり新たなJCI小千谷の会員を増やすことが目的です。ですが、ただ『会員拡大』と言ってしまうとセールスのような印象があり、あまりイメージが良くないと思っています。
そこで私たちはこの1年間で『会員拡大』という少し硬い殻を脱ぎ、『仲間探し』を目指して活動してきました。
どんなことをやってきたんでしょうか?
これまでは、まずJCI小千谷の例会事業にオブザーバーとして参加してもらい、私たちJCI小千谷の活動を知ってもらったり、入会のメリットなどを伝えることが主な会員拡大の方法でした。ですが、例会事業に参加するのは少しハードルが高く、もっと気軽に参加できる機会が必要だと考えたのです。
そこで毎月1回、様々な形で交流会を開催したんです。たとえばキャンプ、ゴルフ、紅葉狩り登山、BBQなどですね。
実際に開催してみて、いかがでしたか?
7月、8月は新型コロナウイルスの感染拡大で開催できませんでしたが、それ以外は無事に開催することができました。結果、多くの方から参加していただき、交流会を通じて入会したメンバーもいます。
今年はどれくらいの方が入会したんでしょうか?
今年度は7名の方に新たに入会していただきました。実際に交流会がきっかけとなって入会を決めてくれた方は少なかったのですが、それでも良かったと思っています。
どういうことでしょうか?
私が委員長を務める年にJCI小千谷の会員にならなくても問題ないということです。仲間とは入会しなくても、ただ出会うだけで新たな仲間になっていると思うんです。これまでは会員になりそうな方に積極的に勧誘しているだけでした。
ですが、それでは持続可能な組織になりません。青年会議所は所属できる年齢が40歳までと決まっています。なので新たに仲間となる人材を見つける必要がありました。
年齢制限を越えたら入会できなくなってしまいますからね。
今年は新たに仲間になりそうな人がずば抜けて増えた年だと自負しています。先輩からは「会員になってくれそうな人にはどんどんアタックすればいい」と言われたりもしましたが、私はそうはしたくありませんでした。「少しでも後世に残したい」そんな想いでしたね。なので今年はタイミングが悪くて、入会をお断りになった方でも、今後入会する可能性が残っています。そして、彼らには入会して損はないと改めて伝えたいです。
■JCI小千谷は大人の学びの場
江口委員長にそこまで言わせるJCI小千谷とは、どんな組織だと思いますか?
一言で言えば『大人の学びの場』だと思っています。
詳しく教えていただけますか?
会員拡大のために候補の方に会いに行くとJCI小千谷に入るメリットを伝えるんです。メリットには仲間が増えることや自己成長など様々あるかと思いますが、それらを伝えると、「それはJCI小千谷に入会しなくても町内や祭りなど他の団体でもできる」という答えが返ってくることが多いんです。
もちろん、そうかもしれませんが、私はJCI小千谷での活動でしか学べないことがあるし、大きく自己成長すると思っています。時間は誰にとっても平等です。JCI小千谷での活動は、私も体験しましたが、心身ともに削られるくらい大変な毎日になります。ですが、そんな時間を過ごすことで、人は大きく成長するのです。
具体的なエピソードはありますか?
実際、JCI小千谷には企業の次期後継者や個人事業主が多いですが、サラリーマンのメンバーも所属しており、そんな彼が大きく成長する姿を、私はこの1年間で目の当たりにしました。
今では企業の代表や次期社長として切磋琢磨しているメンバーとも肩を張るくらいの活躍をしています。来年度は小千谷の代表として、新潟地区の副委員長になるほどです。
それはすごい成長ですね。
彼の成長の要因は、当事者であるという自覚が芽生えたことだと思っています。JCI小千谷は『組織の長の集まり』ではありません。人に自覚を芽生えさせられる組織です。そして、多くのメンバーの後押しで「自分でもできるんだ」って思えるようになり、小千谷の代表にもなれる組織なんです。
■そして絆の幹は次の世代に受け継がれていく
改めて1年間、委員長を務めた想いをお聞かせいただけますか?
この1年は「少しでもJCI小千谷に興味を持つ人が増え、私たちの活動を伝えたい」という想いが原動力でした。そして、副委員長、副理事長をはじめ、委員会メンバーとの絆は本当に大きくなりました。委員会の名前にあるとおり『絆の幹』は太く、そして強くなったと思います。
改めて、これまで先輩達が築いてきた幹を次の世代にバトンタッチできたと思っています。今年は64年目ですが、70年、80年と続いていくことでしょう。
若手も入会したんですよね?
これまでは30代の新入会員が多かったのですが、今年は20代が2人入会しました。30代でも入会してもらえたら嬉しいのですが、40歳で卒業になりますからね。持続可能な組織となるためには、20代にフォーカスして仲間探しをしても良いかもしれません。年下がいることで自覚が芽生えますからね。
江口委員長も今年でJCI小千谷を卒業しますよね。最後に残されたメンバーや新しく入会する方へメッセージがあれば、お願いします。
事業をするときは、どんな内容であっても出席率や参加人数を追い求めてほしいです。立派な事業をするのは良いんですが、出席率が悪かったら企画倒れと言われてもしかたありません。まずは現役メンバーが出席することが大切です。委員会もフルタイムで出れなくても、1時間でも30分でも出たらいい。それが当事者意識なんです。
まずは自分たちの立ち振る舞いを見直す必要があるということですね。
その通りです。これまでJCI小千谷は市民の皆さんに誇れる事業をたくさんしてきました。ですが、普段の立ち振る舞いが悪ければ、意味がありません。私たちは社会人として模範的である必要があります。JCI小千谷のメンバーだと胸を張ってもいいけれど、調子に乗って横柄に振る舞ってはいけないんです。
そして、仲間を大切にしてください。私たちの委員会はとにかく仲間意識が強い委員会でした。個ではなくチーム。仲間がいてくれたから1年間を乗り切れたと思っています。仲間のために泣ける。こんな素晴らしい組織はありません。
最後になりますが、新入会員の皆さん、そして、絆の幹育成委員会をはじめとしてメンバーの今後の活躍を願っています。1年間本当にありがとうございました!
◎絆の幹育成委員会の1年間の活動報告はこちら
↓↓↓
・4月例会 『JCI おぢやクエスト ~新たなる仲間を求めて ~』
・8月 オリエンテーション
・11月 バトンタッチ~俺のすべてをJCにおいていく~
◎江口委員長の所信はこちら
↓↓↓
・2022年度 理事長&委員長所信