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おぢやの伝説

大崩(在原新左エ門)

今から約七百年前のお話です。
承久二年(一二二〇年)頃、越後一帯は賊徒が横行して、良民を苦しめていました。
そこで時の朝廷が鎮圧の軍隊を向けました。在原新左エ門はその一方の将で、魚沼一円の賊徒平定で、その本拠を岩沢の山上にとり、眼下に流れる信濃川を利用して、迅速果敢に兵を動かし、次第に付近を平定してゆきました。
 昔の岩沢は島村、坊村、塩沢、中村、町村、山谷、市ノ口、岩山、田代、池ノ又、大土山、小土山、外ノ沢、池ノ平などで大きな郷をつくっていました。その中心は坊村で、岩沢山不動寺がさらにその中心でした。このお寺は古くから非常に栄えており、人々が各地から信濃川を利用して集まり、いつの間にかこの地方を「岩沢」と呼ぶようになりました。
 在原新左エ門は、その祖先を在原業平といい、眉目秀麗の青年武将でした。いつの世も変わりません。美男の青年武将新左エ門に寄せる、村の娘達の人気はますます高まり、その中でも池ノ平の桂(カツラ)と呼ぶ娘が、新左エ門の気持ちをとらえ、池ノ平に一家を構え、蜜のように甘い甘い生活がはじまりました。人々はこれを在原屋敷と呼んでいました。
 だが、この甘い生活も長くは続きませんでした。賊徒が穏やかになったのは、油断させるためだったのです。妻有(十日町方面)から信濃川を下って来た賊徒は、岩沢の裏山にまわり、大土山の山中にひそみ、一挙に討伐軍を攻めようとたくらみ、付近の農家を荒らしまわり、次第に勢力をましてゆきました。
 新左エ門は先祖から伝わる観世音の像を肌から離さず信仰していました。これは在原業平が時の天皇から賜った稀代の逸品で、今まで数回の危機には必ずこの観世音が救ってくれたのです。
 賊の勢力はますます高まり、ある夜不動寺と末寺全部が焼き払われてしまいました。敵の本拠地大土山では毎晩祝宴が続き、その人数は新左エ門の軍の数倍にも達するようになりました。いま攻略の軍を起こさなかったら討伐軍がやられるという瀬戸際になりました。新左エ門はその夜、守り本尊の観音像を出し、妻の桂とともに熱心に祈りをささげ、戦勝を祈願しました。
 その時でした。にわかに雷雨が起こり、大風が吹き、もの凄い大嵐となって、地上のあらゆるものがたけりくるったようなありさまでした。
 一夜明けました。その朝は驚天動地の一大異変が起こっていました。賊のこもっていた大土山の一帯が、大山崩れになり、賊は首領以下、その山崩れとともに深い谷間に落ち、一人も残らなかったということです。それ以来この地を大崩と呼び、山崩れの地点をノゲ沢といっています。
新左エ門は、今さらながら観世音の霊験におどろきましたが、さらにおどろいたことは、妻がその観音像を抱いたまま死んでいたことでした。彼女は自分の一命を投げ打って夫の戦勝を祈願したのでした。悲しき勝利を得た新左エ門は、その遺体を手厚く葬り、在原屋敷の一隅に塚をつくって、大切な観音像とともに埋め、次の任務地の会津におもむきました。

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